萎縮と拘縮の違い

萎縮と拘縮の違い 医学・医療の一般教養
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萎縮と拘縮の違い

筋委縮などで使用される委縮萎縮(いしゅく)という言葉(病名では萎縮)に対して、関節拘縮といったように使用される拘縮(こうしゅく)という言葉。

この使い方だけで、その違いを察することができますが念のため説明をします。

萎縮

筋委縮(萎縮)というのは筋肉が衰え細くなっている状態の事を言います。一過性の場合はいわゆる筋トレで回復します。筋萎縮は何かしらの要因によって筋肉が使えなくなったり使わなくなったりしたときの結果として生じます。その筋力低下に伴った結果として「筋萎縮」が生じるというプロセスになります。筋萎縮は目に見えて確認できるもの(客観的)です。

委縮とは、弱まる、怯えるという意味があります。

萎縮とは、縮こまる、衰える、弱まるという意味があります。

よって、筋力で使う言葉は筋萎縮という事になります。進行した筋萎縮はその筋組織が脂肪に置き換わることがあります。これを確認するにはMRIが一番有用です。客観的に明確な指標として後遺障害認定の重要なポイントといったところです。

たとえば、ヘルニアなどで神経根が圧迫されて筋力低下が生じたときや、関節障害やその他の神経損傷などの証明などにはその左右との差は有用な所見になります。

なお、筋肉自体が損傷した場合の筋萎縮は予後が良好な場合が多いとされています。

拘縮

拘縮というのは、関節周りの軟部組織の障害によって関節の可動域が制限されるときを言います。その原因は様々ですが、長期間動かさなかったから関節が固くなった時(廃用性関節拘縮)に使用します。拘縮は委縮と比べて一見しただけでは解りずらく、関節が硬くなっていると拘縮状態と判断されることもあります。後遺障害では拘縮の医学的な原因が求められます。

拘縮には束縛、制約、制限といった意味があります。病的に「体が硬い」という状態です。

また、関節には強直(関節が癒着して可動域が制限されること)、固縮(ガクガクと断続的な抵抗を示したり断続的な抵抗)という類似語もあります。

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