電気生理学的検査という電気信号を利用する検査。筋電図と言われる事が多いがその実態は?

筋電図という検査があります。交通事故では特に多く「筋電図」と説明され、筋電図という言葉が独り歩きをしているケースが散見されます。

電気を使って主に神経を調べる検査を電気生理学的検査(電気検査)といいます。交通事故の世界では単に「筋電図」と言われることが多いですが、筋電図とは数ある電気生理学的検査の中の1つ電気検査の方法で(悪いところは神経か?筋肉か?というのを調べる検査)電気を使って症状の原因を調べる検査の”総称”ではありません。特に交通事故では、他覚的な所見を得ようとして、筋電図といわれる方がおりますが、ほとんどの場合は用語の使い方を間違えています。電気を使って検査するのは電気生理学的検査と言います。

あまりにも筋電図という言葉が電気検査を指す言葉として多用されているので、本当の純粋な筋電図の事を「普通筋電図」と言ったりします。

電気生理学的の検査内容

そして、この電気検査には何を調べる対象にするかによって、種類・方法がいくつもあります。針筋電図、誘発筋電図、神経伝導速度検査、知覚か筋力か、末梢か中枢か、どこからどこまでの損傷か、電気の伝わり方、伝わる速度、伝わる強さ、F派、H派、潜時、AMPetc..

これらの電気生理学的検査結果から、症状を考えて何が原因となっているのか探し出すという、非常に難しい検査です。例えば、1つの神経を異なる距離で測定して、そのグラフ・波形から、波が何個あるか?波の高さは?波の長さは?波が生じるまでの時間は?波が生じている間の時間は?通常と異なる波形のが意味するものは?というところを見て、その他の検査を合わせて総合的に判断するものです。(重症例でははっきりした検査結果がでることが多い)

<ポイント>針筋電図でわかる事
その筋肉に異常があるか?ないか?
あるとしたら、筋肉自体の原因か?それとも筋肉を支配する神経が原因か?

電気検査で後遺障害を立証できるか

主に調べる神経と主に調べる筋、そして検査の種類を考えると、総当たりで検査を全て行う事は非常に困難です。そして、検査にも技術が必要なことから、まだまだ医学としてもまた、施行する者にも発展の余地があるといわれています。また、交通事故で電気検査で確定診断をするという事は、施行側からすれば”めんどくさい検査”になるのです。むちうちで筋電図をお願いしたりすると医師に嫌がられる事が多いのは、医師からしてみれば、「むち打ち程度に電気検査なんかやっていられない」というのが本音のようです。(もちろん中には相応な検査を行って頂ける場合も有ります)

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