医療照会とは病院(医師)に対して病状などの確認を問答形式で行う事を言います。
後遺障害の申請を被害請求で行うと、時に自賠責調査事務所から医療照会が行われる事があります。これは、等級を調査する上で必要な病状をを確認する為です。実はこの医療照会が曲者で、被害者に優しくない質問の仕方をするのです。その照会に対する回答は等級認定の際に最も重視されますので、回答が適当だと等級に悪影響を与えます。
例えば、「他覚所見は?」という照会に対して、
・所見あり
・所見なし
・未施行
という選択肢が用意されていたとします。医師はこの回答をカルテを見ながら行いますが、所見を取っていない場合も「所見なし」とする事が殆どです。本来は「未施行」としなければなりません。そして、全ての検査を行っていないのにもかかわらず、1つ2つの検査で所見がなかったからといって「所見なし」と書かれてしまうと、調査事務所は「他覚所見は無い」と断定してきます。
他にも、後遺障害には症状の一貫性というものが必要ですが、医療照会では具体的症状を経時的に質問を行う場合があります。この時の回答に、症状の書き忘れ(非常に多い)や、傷病名からして有るのは当然だから書かなかった症状(医師の独断)があると、それを理由にして「一貫性がない」として後遺障害を認めてきません。
これに対する対策はいくつもありますが、自ら医療照会を行うのが良い方法です。これにより回答内容もある程度、被害者の考えに沿う事も可能です。
なお、医療照会は、異議申し立てで行う事がありますが、普通の医療照会ならまだしも、被害者にとって良い回答を得られるような内容を考えるのは非常に難しいです。ここは間違いなく専門家の力量が問われるところです。
*自賠責が行った医療照会の内容を直接自賠責から取り付けることはできません。
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