カルテとは、医師が患者の治療経過などを記載する書類の事を言います。医師の診察を受ける時に、医師が書きこんでいる紙の事です。
医師は一人で、患者を何百、何千と診察します。それをぞれを一つ一つ暗記する事は不可能なので、カルテを作成して、その時の自覚症状や検査結果などを記載し、カルテを確認しながら日々の診察を行っています。
逆にいえば、カルテに書いていない事は、無かった事になります。つまり、その時、カルテに書かれていない症状は無かったという診断書が出来上がってしまいます。
後遺障害では、症状の一貫性というのが説明できなければ等級は認定されません。一貫性とは、最初から最後まで、その症状がある事です。これによって交通事故との相当因果関係の説明が可能となりますが、万が一カルテに症状の記載が無く、それが後遺障害の申請書類の中で不利に働けば、後遺障害は認定されない事になります。
カルテ自体は後遺障害の調査対象書類ではありませんが、後遺障害の調査対象の書類はカルテを元にして作成されるのでカルテはとても重要と言えます。
場合によっては、カルテの開示請求を行ってからコピーを入手し、後遺障害の等級を取りに行く戦略を練る事もありますので、患者である被害者は、医師の診察の際にはしっかりと的確な表現方法で症状を伝え、それをカルテに記載していただくよう努めなければなりません。
カルテの開示について
カルテの開示方法は病院によって異なりますが、病院は法律によって患者からのカルテ開示請求を拒むことはできません。しかし、一部の病院ではカルテの開示を拒むことがありますが、これは法律を知らないだけです。また、カルテの開示の際に病院が患者に請求できる金額は、厚生労働省の指針によって「実費を勘案して合理的であると認められる範囲内の額としなければならない」と、高額であってはならないとされています。たとえば、一枚1万円という料金設定では、患者のカルテを開示させる権利をいたずらに制限することになるからです。
カルテの開示を請求した際に、病院が患者に請求する料金としては、一枚10円程度のコピー代と開示手数料が数千円以内というのが合理的です。
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