交通事故被害者で、肩の痛みを訴える方は多いです。
肩が上がらなくなることもしばしばあります。では、肩が挙がらないからと言って後遺障害が認定されるのかといえば、そうでもないのが実情です。
肩の痛みに対して医師がつける傷病名は多岐にわたります。
肩打撲、肩挫傷、肩鍵盤断裂、肩鍵盤部分断裂、インビンジメント症候群、肩関節周囲炎などですが、大きく3つに分けると、断裂か炎症かそれ以外に分けることができます。
肩の痛みの後遺障害とは
肩に痛みがあって、可動域が制限されるようであれば後遺障害の等級がどの程度になるか考えて、適切な治療と画像所見をきちんと揃えておかなければなりません。ただし、肩の痛みについては「画像所見があって可動域の制限があれば等級は認定される」と考えるのは間違いです。
可動域に制限が出たとしても自賠責からは、
「後遺障害診断書に記載されているような可動域制限は生じることはない」
「間接可動域制限の原因となる客観的所見に乏しく」
「本件事故による当該部位の器質的損傷は認め難い」
などという理由で、認めてこない事が多数です。
なぜかというと、肩については元々あった(既往歴)と捉えられてしまう画像所見が非常に多いからです。実際に事故と因果関係がない画像所見が多いのも事実ですが、それでも事故によって肩の痛みなどが発生したのであれば、後遺障害は認定されるべきです。
肩の炎症と診断されても、滑液包なのか関節包なのか、腱板損傷と診断されているが断裂なのかそれとも確定診断ができないのか(肩のMRIで的確な診断をするのは難しいです)交通事故被害者にとって肩の痛みは治療においても、賠償においても難しい問題の多いといえます。
そして、その結果認定されるのは、非該当、14級、12級、10級の4つの中からの選択となります。
肩の後遺障害への道
MRIの撮影は必須です。2回は撮影したいです。その上で、適切な治療を受けて、症状固定とします。症状固定時には理学的検査を受けたほうがよりベターといえます。
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