ここでのめまいは、頭部外傷によるめまいではなく、原因不明・特に頸椎由来のめまいについて説明します。
頸椎捻挫?のめまい
むちうちでめまいが発症する事があります。平衡感に異常です。しかし、めまいの原因は不明のまま症状固定となる事が非常に多いのも事実です。そもそも、頸椎捻挫という傷病名がついた場合は、他覚所見がないのが一般的なので、めまいについても他覚所見がない=原因不明とされるのがほとんどです。
しかし、その中には首の血流障害によって発生するめまいというものが存在し、この場合は見逃されることが多いです。具体的には椎骨動脈が頸部受傷によって狭窄し、脳への血流不足でめまいが発生するというメカニズムです。これは医学的にまだ発展途中のもので、原因診断がなされない事が多いのですが、血管が細くなっているのが原因のめまいは確実に存在します。
そもそも、なぜ椎骨動脈の血流が悪くなっているのかという原因ですが、頸部の直接の変形による血管圧迫や自律神経(交感神経)異常による血流障害などが考えられます。
ちなみに、交通事故でのめまいは回転性のめまいが殆どです。回転性のめまいとは、グルグル回るようなめまいであって目の前が暗くなるクラッとくるめまいではありません。回転性のめまいでは、難聴や耳鳴りがあれば末梢性、難聴や耳鳴りなどがなければ中枢性となります。
後遺障害等級への道
頭部外傷による目眩ではない場合は、ほとんど頸椎捻挫に対する14級9号の認定にとどまります。
立証を尽くして12級へのアプローチも考えられますが、「椎骨動脈の狭窄原因がはっきりしている事」「その狭窄原因が交通事故によるもの」「めまいが椎骨動脈の狭窄によるもの」というところを説明しなければならず、かなりハードルの高いものになります。
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