腕神経叢損傷
腕神経叢損傷とは「わんしんけいそうそんしょう」と呼びます。 腕神経叢損傷は、第5頚椎(C5)から第1胸(T1)神経の前枝から構成され、損傷部位によって症状は異なります。
腕神経叢損傷の治療方法
上位型と呼ばれる腕神経叢損傷(C5.6.7)については、肩関節の機能障害があれば筋腱移行術、 肘の動きに障害があれば肋間神経移行術、手関節や指に障害がでれば手関節固定術や 遊離筋の筋移植が行われます。
下位型と呼ばれる腕神経叢損傷(C8Th1)については、手関節や手指の伸筋を元とする腱移行術が主流です。
上位、下位を合わせた完全型損傷と呼ばれるものについては、全ての治療方法を時間を 別にして行うのでかなりの年月(2年以上)の治療が必要となります。
上記の事を節前損傷と呼びます。節前損傷は神経根の引き抜き損傷で完全回復は期待できません。つまり、一度損傷を受けた神経は元には戻らないという事です。時間の結果と共に、神経損傷を補う腱や筋肉の発達により、機能的な回復は見られます。
対して、節後の神経損傷、つまり末梢神経の損傷は神経の再生可能性があります。末梢神経の回復は一日1ミリとも言われていますが、末梢神経の損傷を参考にしてください。
腕神経叢損傷の後遺障害への戦略
受傷時より詳細な筋力テストや知覚麻痺などの部位をカルテに記載します。 ミエログラフィー、ミエロCT、MRIによって神経損傷を説明し節前損傷と節後損傷に別けて それぞれ対応しなければなりません。また、交通事故の際に受けた衝撃の強さも重要です。 胸郭出口症候群と症状が似ているので誤診には注意したいです。
後遺障害の等級は、14級から12級6号10級10号8級6号6級6号5級6号が考えられます。
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